NEC VALWAY定期コラムVol,8

【WEB担当者に必要な『トレンド力』とは!?】

話題が豊富な「あの人」は…

皆さんの周りにも、他の人よりうんと流行に敏感で、その日のニュースは勿論、芸能からスポーツ、政治や最新の電化製品のことまで、ありとあらゆる話題が尽きない!そんな人はいませんか?
何でも知っている「物知り」とは少し違う印象で、毎日話題を更新しているような人。周囲を見渡してみると一人くらいはいるのではないでしょうか。その最新で幅広い知識を得ることは、簡単なようでいて実は『情報化社会』と言われる現代ではとても難しいことです。

皆さんの周りにもいるであろう、話題が豊富なあの人は、一体どんな方法でその情報を掴みとっているのでしょうか。今回はその『トレンド(流行)』を自ら(企業)が発信する為に必要なインターネット上の情報を「公平」に見る視点についてお話しします。

『トレンド』にとって敵であり、味方でもある情報化社会

『情報化社会』と揶揄されるようになり40年余りとなりますが、日本でPCや携帯端末の普及が見られ始めた90年代から現在に至るまで、人とインターネットを繋ぐチャネルは増えに増えました。近年では『モノのインターネット化( Internet of Things, IoT)』が謳われていますが、その歴史を考えると、人の思考はもっと前から「インターネット化」されているともいえます。

本や映画がそうであるように、人から発信されたものには、必ずその人の「主観」が入ります。インターネットも同じで、インターネット上の情報は見も知らぬ誰かから発信された情報です。その情報が真実かさえわかりません。ですが、その「誰か」の主観で構成された情報に、皆さんを含め世界中の誰もが触れられ、拡散できるのが現代です。

電子媒体を介し、人が発信し、人が享受するインターネットでの、変化や拡散力は『トレンド』を生み出す大きな力となりますが、一方で誰かの考え方や感じ方を大勢が共有できることで、思考が統一化されてしまい、一人ずつの「個性」は消えてしまいます。この『トレンド』を取り巻く、相反する2つの鍵「個性」「統一化」を上手く利用して、 WEBにおけるマーケティングの「考え方」を身につけましょう。

『トレンド』を得る為には複数のチャネルから情報を収集する必要がある!?

たとえば、SNSひとつをとってみても、タイムランには自分が興味のある話題、興味のある相手の話題など、自分用にカスタマイズされた情報が流れてきます。また、広告表示すら、cookie情報を利用して、自分のWEB行動に基づいてセグメントされているので、自分では色々情報収集をしているつもりでも、意図せずに情報は厳選されていると云えます。また、見るチャネルや使うブラウザによって、何が話題となっているかは変動します。ニュースサイトのTOPページを見ている人と、SNSのモーメント記事を見た人とでは変わりようがないように思える「今日の話題」でさえ大きく違ってくるのです。
では、本当の「トレンド」を見つける為にはどこをどう見ればよいのでしょう。

1:ジャンルを跨いだ話題:キーワードを発見しましょう
ニュースの中にも、ジャンルに共通したキーワードが上ることがあります。
例えば、「人不足」というキーワードはビジネスや教育、地域など様々な共通したキーワードです。このキーワードに則したニュースがどのジャンルでも同タイミングで取り上げられているということは、ニュースの内容そのものは違っても、世間の目がそこに向いているということです。例のようなジャンルに跨る「キーワード」を様々なチャネルから発見しましょう。

2:複数のメディアからの情報収集をしましょう
いつも使っているメディアだけではなく、普段は使わないメディア内での話題も確認してみましょう。新聞とネットニュースという媒体の違いや、メディア毎の特色によって、特出した話題もあれば、その中でも他メディアと共通した話題もあるはずです。自分で「情報を取りに行く」行為が「自分好み」の情報セグメントから抜け出し、平等な情報を掴むための一歩となります。

上記に取り上げたように、メディアのTOPページにでかでかと取り上げられている情報や瞬間的なアクセス数の増加が特徴の「バズ」を起こすような情報だけが『トレンド』なのではありません。どのジャンルやメディアを見ても取り上げられているキーワードを含み、尚且つ息の長い情報は、たいしたバズが無くても良質な『トレンド』と云えるでしょう。

トレンドは「起こす」よりも「波乗り」を上手く!

先ほどの段落をご覧になって、『トレンド』の認識が少し変化したのではないでしょうか。WEBコンテンツを作るときも、運用をするときも、発信する情報をどのように人の目に触れさせるか、情報を届けるかが重要になってきます。多くの企業は「トレンド」自体を一からつくろうと奮闘してしまうのですが、日本中・世界中のたった一企業が自力で「トレンド」を作ることは、不可能に近いです。それは、トレンドの中にある「統一化」の側面に由来します。発信した情報の主旨がいくら斬新で個性的でもそれに共感する他者が多数存在しなければ、思考の統一も起こらず「トレンド」は生まれることも出来ないからです。ですから、一から「トレンド」を生み出そうとするのではなく、複数のメディアが作った既成のトレンドを活用し、万人の目が既にこちらに向いている状態のフィールドでコンテンツを展開しましょう。

例:サッカーの『トレンド』に関するコンテンツの作成や情報発信
① 一面記事・TOP記事:「●●●●選手●●チームへ移籍!!」
② 複数メディアで取扱い:方のクラブチーム財政について

◆長期的にコンテンツを使用したい場合②を使用
特に爆発的なHITは期待をしないが、通常よりも少し長めに題材の取扱いをしたいときには、②を使用するほうがよいでしょう。特定のファン層を呼び込むオウンドメディア等と相性が良いです。

◆短期間で多くのアクセスが欲しい場合①を使用
長期的に使えるコンテンツという訳ではありませんが、他メディアの波には一番乗りやすく、SNS系メディアと相性がとても良いです。短期間で数字を稼ぎたい場合は①のコンテンツを選択すると良いでしょう。

【まとめ】

WEBを担当する立場になった場合、自社の取り扱いコンテンツがどんな特性をもっているのか、また自社の発信したい情報は何なのかをしっかりと把握しておく必要があるでしょう。また、発信する情報の内容によっては、上記のようにコンテンツやメディアとの相性で伸びが大幅に変わることも考えられます。 WEBは情報を発信するための一つの手法です。双方の相性を『見る目』はWEB担当者だけではなく、広報や企画担当者、マーケティングに精通していない方でも考え方ひとつで身につけることが出来るので、是非チームや会社全体で『トレンド』に関する意識を改める機会を設けましょう。