≪0と1で見えない顧客の『カタチ』をつくる≫
WEBマーケティング

ドリルを売るには、穴を売れ?

マーケティングの格言に「ドリルを売るには、穴を売れ」という有名な格言があります。これは、1968年にマーケティングの巨匠セオドア・レビット氏が発表した「マーケティング発想法」という本の一文を引用してつくられた格言で、マーケティング界では、知る人ぞ知る理論です。
穴をあけたいという欲求があれば自然にドリルが売れますが、言い換えれば、穴をあける必要がなければ、どんなに高性能なドリルでどんなに価格が安くてもドリルは売れないという例え話です。これは、自社製品やサービスを販売するうえで、売り手優位(プロダクトアウト)になりがちなマーケティング思考を買い手優位(マーケットイン)思考に切り替える際によく使われる格言です。
私たちはしばしば、自分たちのサービスを誰彼かまわず『売って』しまうことがあります。その人が本当に買いたかったのか、もっと別のサービスや商品に興味があったのか、もっともっと詳細な説明が欲しかったのか、なにも分からないまま、ただ『売って』しまうのです。もしも、もっと顧客の声が聞こえていたなら、本当に欲しかったものを提供できたのかもしれません。
プロダクトアウト思考とマーケットイン思考

WEBマーケティングがあまり上手くいかない、WEBマーケティングが機能していないなどの悩みを抱えている企業はマーケティングも売り手優位(プロダクトアウト)思考で考えている場合が多くあります。
その認識を、買い手優位(マーケットイン)思考に転換するだけでうまくいくことも多々あります。たとえば自社WEBページを訪れるユーザーはスマートフォンで閲覧することが多いので、スマートフォンで見られることに特化したWEBページへ変えてみる! というような改修などは、買い手優位(マーケットイン)思考の一例となります。
しかし、ユーザーがどんな人か特定できていない状態で何のデータもなく、自社の作りたいようにWEBページを作ってしまうと、穴をあける必要のない人に高機能なドリルを売りつけているのと一緒になってしまいます。
わたしたちの顧客は「どんな人」でしょう?

WEBに限らず商品やサービスを販売するには買い手がどんな人で、どこで、どんな時に何を欲しがっているのかを想定する必要があります。
当社でWEB行動解析をする際は、仮説立てからA/Bテストを繰り返しユーザー属性を出来るだけ細かく特定しています。
例えば 採用サイト(https://valway121net-recruit.jp/)では、検索広告のワードとデモグラフィック情報(年齢や性別などの属性)の解析をしており、その中で、最もパフォーマンスの高いユーザーは
『16時~18時にスマホで高時給のアルバイトを短期間だけやりたい40歳前後の女性』で
『世帯年収は300万以下』で...などドリルダウンをしていきます。
その仮説からWEBページのUIやパフォーマンスの高い画像のテストをし、「当社のユーザーにとって本当に有益なWEB」を見つけ出すためのPDCAサイクルをまわし続けます。
しかし、BtoBマーケティングでは、上記よりも更にセグメントが高度になります。WEB行動だけでは買い手の状況を把握することは難しく、様々なフィールドデータやインサイドセールス情報を組み合わせることでユーザー属性の仮説立てをします。例えば、マーケティングオートメーションのツールなどでユーザーのWEB行動を観察したとしても、そこに顧客の属性情報取得を取得するための『施策』が機能していなければ、「キーマンではない顧客へアプローチをし続けていた…」ということや、「直近にリプレイス予定の顧客よりも来年以降予定の顧客を優先にしていた…」なんていうことが起こってしまいます。
WEBマーケティングってつまり…?

WEBは「相手が誰で、穴はなんなのか」を知るひとつのツールに過ぎません。その本質から外れなければ、どのようなチャネルでも、どのような手法でも、マーケティングはうまくいきます。しかし、WEBがマーケティングの1チャネルとして大変注目されているのには、理由があります。それは、他のチャネルにはない、多角的な利点があるからです。
■顧客の特徴や傾向を『計量化』出来る!
特徴や傾向というのはなかなか、数に表せません。特徴や傾向に依存した定性的な判断というのは成功することも大いにありますが、再現性がとても難しく、もう一度同じ条件で、ということが出来ない場合が多くあります。
一方でデータに基づいた定量的な判断は再現性に長けています。成功時のデータに基づいて、同じ条件で同じ状況を再現することが可能です。定量判断をする際には、あらゆるユーザー行動を『計量化』することが必須となります。WEBを用いることは即ち『顧客の行動を計量化するため』と言い換えても過言ではありません。
■顧客とのタッチポイントを増やせる!だけど…
もちろん顧客とのタッチポイントがWEBにシフトしているからWEBを使うという観点も間違いではありません。ポストから取り出してもらえているかわからないダイレクトメールを送り続けるよりも、顧客がどこを閲覧したのかまで解析が可能なWEBを選択するのは賢い選択です。
しかし「今はWEBの時代だからWEBで宣伝しなければダメだよね。」という理由だけでは、チラシを見る人が多いからチラシで宣伝する!見る人が多ければ売上が上がる!という乱暴な論理になりかねません。見る人が穴を掘りたいと思っていなければ絶対にドリルは売れないのです。
【まとめ】
見る人が『どんな人』で『どんな穴』を掘りたいと思っているかを、特徴や傾向といった数値化が出来ない表現で判断せず、きちんと定量的に判断するツールとしてWEBを使っていきましょう。定量的な判断が出来れば、成功例パターンを再現し、タイプを変えて増やしていくことも可能です。また、その上で自社のドリルを戦略的に販売するにはどうすれば良いのか考えながら常にPDCAを回し続けることが、WEBマーケティングの本懐と云えるでしょう。
★VALWAYのWEBマーケティングに関する情報はこちら⇒
WEBマーケティング アウトソーシングサービス(https://nec-vw.com/webmarketing/)